Wolf Tooth チェーンリング 130BCD 38T
シクロクロスでは46-36Tのクランクが良く使われるが、アウタートップを回しきる事は稀だし、インナーローで登り切れない坂は素直に降車して担いだほうが速いことも多い。さらには、タイトコーナーと直線が繰り返すコースでは、インナーでは軽すぎ、アウターでは重すぎ、使いにくさを感じていた。
そこで、2シーズンほど前からはフロントを39Tにして、12-27Tや11-28Tのスプロケを組み合わせて使っている。フロントシングル化で走りやすくなったうえ重量も大幅に軽量化できたが、バッシュガードやチェーンウォッチャーで対策していてもチェーンリング下側からのチェーン脱落は防ぎきれなかった。
Wolftoothは厚い歯と薄い歯が交互に並んでおり、チェーンのアウターリンクとインナーリンクそれぞれに噛み合うようになっている。そのため、歯数のラインナップは偶数のみ。フロントシングル専用で、ディレイラーによって「脱線」する必要が無いためギヤ歯は高く、チェーンのリンクに深く刺さり、脱落しにくくなっている。
厚歯にあわせた板厚のため、チェーンリングは分厚いが、インナーリングにバッシュガードやチェーンウォッチャーを追加するよりも軽くなるし、泥はけも良くなる。
効果は絶大で、バイクを傾けたまま段差を飛び降りたり、コーナリング中にペダルを逆回転させたりと、敢えてチェーン落ちのしやすい乗り方を試してもノートラブル。
チェーンデバイスのように外から押さえているわけではないので絶対に落ちないとはいえないものの、たるみを防ぐためチェーンをできるだけ短くしていれば、コーナーで滑って転んだくらいでは外れなかった。
ただし、取り付けには少し注意が必要。リング自体が分厚く、チェーンリングボルトを選ぶ。フロントダブル用クランクに取り付ける場合、フロントシングル用のチェーンリングボルトでは短すぎるため、フロントダブル用チェーンリングボルトで固定する必要があるが、ものによっては長すぎて、奥まで締め込んでもチェーンリングがガタつくこともある。いくつか試して具合の良いものを使ったが、合わない場合はナットを削ったりワッシャーを挟んだり、工夫が必要になる。また、手持ちのクランクではチェーンリングがクランクアーム根本と干渉するため、アウター側に取り付けできなかった。細身のクランクなら問題ないし、インナー側ならまず大丈夫。
今までのフロントシングルバイクはバッシュガードやチェーンウォッチャーを駆使してチェーン落ちを防いでいたが、Wolftoothは取り付けるだけで良い。実際、周囲でWolftoothでシングル化した人も多く、フロントシングル化の敷居を下げるチェーンリングだと思えた。